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Since 1997/06/07
書籍寸評
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書籍寸評(1) かなり初期
ここ2年ほど、本を読む時間が少なくなり、不思議なことに読まずに要られなかった本を、読まずに済んでしまうようになってしまう。とくに小説を手に取る事が少なくなってしまった。したがって、ここに書く素材も少なく申し訳ないのだが、それでも少しづつ面白そうな本を読んで書き加えていきたいと思う。
- 「中央競馬ビギナーズガイド」
かなざわいっせい著
基本的にマニュアル本は嫌いなのだが、この本は読み物風に書かれていたので購入してみた。読み始めてがっかり。椎名誠や嵐山光三郎風の文体なのだが、これがやっぱり紛い物な。読んでていてイライラする。
おまけに必要の無い注釈が山ほどあって邪魔。この注釈が「特注10・総武線」「千葉から三鷹まで走っている黄色いJR線」なんてのが沢山ある。なんで競馬の本に総武線を注釈入れないければならないのだ。
しかも「特注」だぞ。それだけでも読み難いし、必要な注釈も見逃す。しかもその注釈が同じページに無くて、注釈を見るだけでもページを前へ後へめくるのだ。イライライラ。だめだこれ。本の作り方がなっとらん、かつ、奢り高ぶっている。
(お薦め度:30/100)
- 「脳死臨調批判」
立花隆著
脳死を考えるに、あまりにも脳というものが不可解なものであるので、専門的知識の無い一般人はどうも敬遠してしまう。したがって、脳死臨調の報告などといってもなかなか目を向けない。けれども脳死はすべての人が関ってくる可能性があり、かつ、脳死判定は人間の生と死の一線をどこで引くのかという誠に人間の尊厳に関る事である。
著者は、この本の中でこの脳死判定基準を確立する脳死臨調の過ちを指摘している。私のような素人が読んでも理解出来るのでぜひ読んでもらいたい。
(お薦め度:85/100)
- 「闇に消えた怪人」
一橋文哉著
副題「グリコ・森永事件の真相」。犯罪ノンフィクション。読んでみて一番驚くのは警察の捜査の執拗さである。世間では忘れられてしまった事件でも裏では膨大な捜査員が動員されいろいろな事が解明されているのである。かなりあやしい容疑者などは、多数拾い出され執拗に調べ上げているのである。
大物右翼・元警察官・KCIA・暴力団からその辺にいるような一見普通の人までも容疑者にあげられ、多数の不可解な事実も判明し、一通り読むと本当にグリコ・森永事件の異様さが判る本である。実に面白い。自分がリアルタイムで見てきた事件だけあるので、余計に変な意味で親近感が沸く。
(お薦め度:90/100)
- 「犠牲」
柳田邦男著
副題「わが息子・脳死の11日」。作者の家族の事である。死との狭間である脳死の状態での家族の気持ちと臓器移植を決意する経過、恐ろしくリアルで衝撃的である。
この類のものは、あくまでも第三者として書かれているものがほとんどであるだけに、ノンフィクションとしては必要以上に感情移入してしまった。
新聞などで脳死臨調とかいう単語はよく見掛けたが、その見方は第三者としての目であった。しかし、この本を読んでみると、今までの脳死についての議論の中で何が問題なのか、どんな目でそれを見つめるか、というのがとてもよく理解できる。「死」を扱っているだけに、スパンと線引が出来ず、1+1=2とは必ずしもいかない問題である。
誰にでも関係しうる事であるので、ぜひ1度読んでみてもらいたい。
(お薦め度:95/100)
- 「漂流者」
折原一著
漂流モノは面白い。本当にそれに遭遇した人もいるので不謹慎だが、小説としては何度読んでも面白いことは事実だ。
この小説は、漂流を題材に推理小説に仕立てている。しかも叙述トリックという手法を使っているのも私の好み。手紙とか日記とか手記とか回想とか、そういったものが折り重なって段々と事実が判明してくる構成である。書き下ろしとのことなのだが、とても新聞小説などでは書けないだろうと思うほど複雑に絡み合っている。
では、どの程度面白かったかというと、まあまあって程度。なぜなら面白いけど下手なのね、表現とかそういう文章が。緻密さというか緊張感というか。まあ、書けと言われれば書くことが出来ないけど。恐らく多筆・速筆なんだろうね、この作家。そんな感じ。暇があったら読んで下さい。
(お薦め度:65/100)
- 「極道記者」
塩崎利雄著
ジャンルは賭博小説で、昭和51年の刊行。
幻の傑作ギャンブル小説といわれ平成5年に復刻されたもの。まー、とにかく面白い。
競馬・麻雀・手本引き・チンチロリンなど次から次へと出てくる博打の数々。
まーそれも描き方が本物っぽいというかリアルなのだ。
競馬についても実際の菊花賞などを題材としたもので、
当時の競馬ファンが泣いて喜ぶであろう。
この塩崎利雄は、現在もスポーツ記者みたいなことをしているようで、
何年か前に雑誌でインタービュー記事を読んだ。
驚くことに博打で億単位の借金があるようなことを言っていた。
この小説の主人公そのものの生活をしているよう。
ピカレスク小説は、私の最も好きなジャンルの一つである。
再読に耐えられる小説はたくさんないが、この小説は3度読んでも面白い。
傑作である。
(お薦め度:100/100)
- 「大空港25時」
鎌田慧著
先日、静岡空港の設置許可が運輸省より出た。私の実家の町が建設予定地。そして毎年海外に行き飛行機は時々乗り、いい大人のくせにどうしてこの鉄の塊が飛ぶのかな、なんて思っている。飛行機と言うものに特別の思い入れはないのだが、世界をまたに掛けて飛び交う飛行機を飛ばすシステムってどんなものかと興味があるところで読んだので面白かった。色々なところで思うのだけれど、自分が知らないところで色々な人が働いているんだなというのが、飛行機を飛ばすシステムにも随所あった。飛行機を飛ばすシステムは、意外に新幹線とかそういうのとあまり変わらないのかもしれない。
当然であるが、飛行機に乗ったことがある人が読んだ方が面白い。
(お薦め度:70/100)
- 「ソフトウェアの法則」
木下恂著
私のような素人が読んでも、ためにはならないが読み物として軽くて面白い。コンピュータに関らない仕事をしているとこの程度のエッセイが面白いのだ。ただし、マーフィーの法則風のコメントがつまらない、いらない。また、随所に出てくる脚注も多過ぎてうるさい。もう少し用語を絞ってもらいたい。
(お薦め度:70/100)
- 「勝海舟」
子母沢寛著・新潮文庫
文庫で全6巻の長大な歴史小説。位置としては「父子鷹」の勝麟太郎(海舟)をメインに焼き直しその生涯を描いたもの。ちなみに私の長男は麟太郎と名付け、その日からこの本を読み始めた。
咸臨丸で渡米するあたりが一番面白い。幕末ものとしては硬派な部類に入るのではないか。実に密に描かれ読み終わった時は充実感があるが根性もいる。
(お薦め度:60/100)
- 「父子鷹」
子母沢寛著・新潮文庫
鳶が鷹を生んだで有名な勝小吉・麟太郎(後の勝海舟)親子の幕末物。主に小吉が魅力的に描かれている。単に資料に裏付された歴史小説というよりも、もっと人情味に溢れ暖かく仄々としたふうに、そしてあまり描かれることの無い小吉を主眼に置いているのが好ましい。子母沢寛はこの作品で菊池寛賞を授賞し、映画化も舞台化もされている。良質の時代小説。
(お薦め度:90/100)
- 「未踏峰」
森村誠一著・角川文庫
文庫2冊の長編。まず書名に騙されてはいけない。例えば、新田次郎の山岳小説みたいなものをを期待して読むと失望する。ワシがその類でがっかりしたのだ。文庫の解説には青春大河ロマンなんて書いてあるのだが、この内容であれば3倍は書き込むか、4分の1くらいテーマをしぼって半分の量にしてもらいたい。
要するに内容盛込み過ぎでスカスカな読後感、満足出来ない。
(お薦め度:30/100)
- 「みんな山が大好きだった」
山際淳司著・中公文庫
文庫本で読んだのだが、原題は「山男たちの死に方 雪煙の彼方に何があるのか」で、文庫化するにあたって改題している。本書の内容は、この原題の方がぴったりである。文庫本の表紙のイメージとは違う。娯楽としての山歩きではなく、誰もやっていないことを死を掛けてやってやろう、と未知の岩肌に向かっていった人たちの記録。私が尊敬する登山家が何人も出てくる。
文庫化するにあたって、「明日あとがきを書く」といって意識が無くなり46才で永眠した山際淳司のノンフィクション。奥さんのあとがきがとても良い。
(お薦め度:85/100)
- 「氷壁」
井上靖著・新潮文庫
自分が生まれた頃に書かれた古い小説である。昨今の中高年登山ブームには閉口するが、この小説はまだ登山がダーティで一部の限られた人のものであった時代のものである。当時は新鮮で衝撃的な内容であったであろう。解説には恋愛小説と書かれているが、推理・社会派・恋愛・山岳・青春・友情等々複雑に緻密に絡み合った一言では分類出来ないほどの味が交じった良質の小説である。
主人公の魚津が最後に泊まったとされる新穂高温泉の宿に数年前に一泊したことがある。なぜ小説の中のモデルになったと判るかと言うと、小説が書かれた当時、その宿しか無かったからだ。井上靖も泊まったのだろう。そして、そこから見上げる北アルプスの山々の風景は当時と何も変わらないのだろう。一人、谷に向かって歩いていく魚津の姿が目に浮かんでくるようだった。
(お薦め度:95/100)
- 「ギャンブルレーサー(1)〜(16)」
田中誠著・講談社刊
モーニングに現在も連載されている。競輪を扱った漫画がこの他にあるかどうか判らないが、内容的にはかなりマニアック。そして、それ以上に笑いのセンスが素晴らしい。もう笑える笑える。一気に1巻から16巻まで購入してしまった。賭け事に目の無い人間には絶対お薦め。
なお、ここに描かれている競輪選手の言動・行動は、実際もほぼそんなものらしいとある本に書いてあった。そういった意味でも興味深い本である。
競輪を始めるなら、この本を読んで競輪場に行き、もどってこの本を読むことを繰り返すと段々判ってくるそうだ。競輪の教科書としても逸品。
(お薦め度:90/100)
- 「不夜城」
馳星周著・角川書店刊
何の予備知識も無くこの本の帯の「1996年は、この長編がぶっち切りでリードする:北上次郎」の文句を見て購入した。そしてあるところでこの新人は「本の雑誌」などで書評を書いている坂東齢人と知った。
風邪を拗らせ喘息状態で読みつづけたが、あの息苦しさを忘れるほど一気に読んでしまった。面白い。最後の数ページが好きだ。新宿を舞台としたハードボイルド。中国系ぽいペンネームがぴったし。装丁も8ポ2段組も好ましい。
(お薦め度:90/100)
- 「別冊宝島
265:新・競馬PAT読本」宝島社刊
金が無い。何とかしなければ・・・賭け事・・・嫌いじゃない・・・競馬・競輪・麻雀・・・。
困ったものである。出不精であるので自宅で儲けたい。ということでPATである。PATとは、パソコン等を使った馬券購入システムである。いわゆる電話投票。この本の内容は半マニュアル的で読み物としてはつまらない。具体的な申し込み時期の記載も無い。中途半端であるが、金に目が眩んでおり、ついつい購入してしまった本。
(お薦め度:40/100)
- 「別冊宝島
270:競輪マクリ読本」宝島社刊
競輪はギャンブルの王様である。競馬ほど華やかでは無く平日から競輪場に屯している得体の知れない叔父さんのイメージがそのまま現実なのが競輪である。けれども奥が深いのね、競輪。変化があるし、ゲーム性があるし、本命はまず来ないし、車番制になって配当はグンと高くなったし・・・。
この本は、競輪に興味があれば、また入門用としても絶対に読むべき教科書的本。読むべし。
(お薦め度:76/100)
- 「自分の会社を持つなら有限会社にしなさい!」
石野誠一著・明日香出版社刊
ワシはビジネス書というものが大嫌いである。情報整理関係以外は絶対に買わないのだけれど、偶々、椎茸の栽培・販売の商売をするのに有限会社にしたらどうなんだろうか、とマジに検討する為の資料として購入した。案の定、大した役に立たないゲス本であった。同じことを何度もくどくど書いてあるだけだった。もっともらしく書いてあるのが悲しい。
読むべからず。
(お薦め度:5/100)
- 「グミ・チョコレート・パイン(グミ編)」
大槻ゲンジ著・角川書店刊
芸能人などが書いた本は、死ぬほどつまらないか強烈に面白いかの両極端に感じる。この本の場合は後者の方。特に小説なので購入時はどうかなと疑問を感じたのだが、一気読み。テレビを見ていても、あーこの人、妙な事にこだわっているなあ、と感じるけど、まさにそのとおりの小説。
恐らく自分の経験を素直に隠さず書いているのが共感も得るのであろう。すごく懐かしく感じる。ロックに興味があってバンドをやった事がある人なら、より一層楽しめる。江口寿史の装丁もエロぽくて良い
最近「チョコレート編」を書店で見掛けた。期待大。
(お薦め度:70/100)>
- 「タケちゃんとパパ(1)」
江川達也著・スコラ刊
スコラレディースコミックス118ママンガシリーズ「出産と育児」の1つの漫画である。内容はこの作者の初子(タケちゃん)成長を1ヶ月ごと漫画にしたものである。
自分の子供を持ったことがある人が見ると、「あー、あるある」と声を出てくるだろうと思われるほど、子供に対する感情とパパとママと子供の関係など同じように感じるのである。自分もこの作者とまったく同じ行動をしているのが我ながら恥ずかしい。そして、自分の子供の成長と比べて安心したり心配したり・・・。まったく親馬鹿である。
(お薦め度:75/100)
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